地域における、在宅ワーク・サテライトワークを考える

-ワークスタイル研究

人生100年時代。超高齢社会が進む中、一人ひとりが自分の価値観やライフステージにあわせて、働いたり、学んだりすることが求められるようになってきます。「明日の働く」を考えるイトーキでは、コアオフィスでの働き方はもちろんですが、地域における在宅ワーク・サテライトワークにも着目しています。

世界で約400もの活動が生まれている 新しいイノベーションの仕組み「リビングラボ」

「リビングラボ」は、地域住民が主役となり、企業・大学・行政とともに地域の課題解決を行う活動です。世界では約400もの活動が生まれており、日本でも山形県鶴岡市、長野県松本市などで実施され、経済産業省も助成支援により後押ししています。

この活動は、参加する方々それぞれにメリットがあります。
・住民:地域との繋がりを深めたり、社会貢献意識を持てる。
・企業:開発中の製品・サービスに生活者の声を活かすことができる。
・地域:生活者人口の増加が見込める。
・大学:研究成果を地域社会に還元することができる。

それぞれの価値創造活動を通してイノベーションを起こすことを目的としています。

幅広い世代が地域で働ける環境とは?

イトーキは神奈川県鎌倉市の今泉台地域で進められている「鎌倉リビングラボ」に参画し、住民の方々と共に地域での「働く」について考えています。このエリアの人口は5000名強、高度成長期には東京のベッドタウンとして発展しましたが、現在は65歳以上の人口が45%を占めており高齢化が進んでいます。

現在この地域に住んでいる定年後世代や子育て世代だけでなく、他の地域に住んでいる人々も住みたいと思える地域を目指し、生活者とともに地域における新しい働き方の可能性を追求しています。

世代によって働く環境の期待価値は異なる

イトーキは、地域における就労環境に関心のある方を募集し、在宅ワーク・サテライトワークに対するニーズを調査しました。すでに定年されている65~75歳の男性、定年準備に入っている50~64歳の男女、0~12歳児の子どもがいる子育て中の女性の3グループに分かれて意見を聞いたところ、以下を確認出来ました。

<環境>
■65~75歳の男性……
自宅に理想的なホームオフィスがあるので課題は特になし。サテライトオフィスに期待するのは多世代との交流。
■50~64歳の男女……
課題は通信環境の整備や宅配便への対応。サテライトオフィスはあれば便利と思う反面、利用は価格次第。
■0~12歳児の子どもがいる子育て中の女性……
オン・オフを切り替えたい。サテライトオフィスは、先輩ママへの相談の場として期待。自己実現できる場所がほしい。

環境についてのニーズを伺う中で、理想的なワークスタイルに関する声も伺うことができました。

<理想的なワークスタイル>
■子供の成長年齢によって自宅での集中ワーク時間が異なるスタイル
■TV会議の画面背景への配慮や、家族の生活状況にあわせて住宅のいろいろな場所に自由に移動して仕事ができるスタイル
■仕事を一旦離れたら、書類や端末などは目にしなようにして、ライフとワークにメリハリをつけるようにしたいスタイル

「働き方改革」も進み、今後ますます在宅ワーク・サテライトワークの需要が増えてくると考えられます。

「明日の働くを、デザインする」を掲げるイトーキでは、首都圏だけでなく、郊外における在宅・サテライトワークのニーズをキャッチし、多様な方たちに受け入れられる空間ソリューションの提案を目指しています。

株式会社イトーキ 商品開発本部 先端研究統括部
ワークスタイル研究所 葛谷 正明

<共創パートナー>
・鎌倉市
観光都市としてだけではなく、豊かな生活都市の魅力について検討し、今年2018年はSDGs未来都市の先進モデル自治体として「鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会」を設立。「鎌倉でのテレワーク」(鎌倉WORKER)という新たなワーク&ライフスタイルを推進し、新たな交流や価値の創造を目指している。

・鎌倉今泉台町内会/NPO法人タウンサポート鎌倉今泉台
高齢化が進む今泉台地区を、若い人が魅力を感じて移り住むまちを目指して活動。
住民主体のリビングラボが地域活性のしくみとなることを期待している。

・高齢社会共創センター
東京大学高齢社会総合研究機構の分野横断的な学術的知見をもとにマルチステークホルダーによる地域課題解決に資する実践を展開する社団法人として2017年に発足。
国際連携型リビングラボの構築と日本におけるリビングラボのネットワーク化を促進している。