MR技術を使えば、遠隔でもリアルな会議ができる (遠隔コミュニケーション研究)

場所の制約なく柔軟に働ける「テレワーク」が進んでいます。しかし、問題となるのがコミュニケーション手段です。メールや電話、チャットなどの既存ツールに比べ、あたかも相手がその場にいるように感じられる、リアルな遠隔コミュニケーションシステムも開発されています。

遠隔でも対面のようにストレス無く よりリアルに、より円滑なコミュニケーションを

在宅などのリモートワークが進み、非対面でのコミュニケーションが増えています。メールやチャット、電話、テレビ会議など手法は多くありますが、やはり対面に比べると表情や態度などのノンバーバル(非言語)情報が少なく、リモートワーカーの存在感は薄くなりがちです。さらに密度の高い議論をするのは難しく、創造性や生産性が低下する傾向にあります。

そこで、現在急速に進化するMR(MixedReality=複合現実)技術を活用することで、リモートワーカーの存在感を向上させ、まるでその場にいるかのように感じられる次世代遠隔コミュニケーションシステムの研究が進んでいます。研究事例としては、Microsoft Researchが発表した「ホロポーテーション(holoportation)」が挙げられますが、イトーキも遠隔コミュニケーション研究の一環でMR技術を活用した、新しい会議ソリューションの研究開発に取り組んでいます。

頭部装着型PC「Microsoft Hololens」を装着しMR空間上に 3D映像を映す

研究開発中のシステムは、遠隔地からコミュニケーションに参加する人の3Dデータを「Kinect」(Microsoftが開発した、ジェスチャーや音声の認識を行う3Dセンサー)から取得し、ヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens」を装着した人のMR空間上に現すというものです。

会議の参加者はHoloLensを着用、遠隔参加者の前にはKinectを設置します。するとリアルタイムに取得された立体感のある遠隔参加者の映像が会議テーブルに現れ、まるで同じ空間にいるかのようにコミュニケーションを行うことができます。HoloLensは複数の参加者間での同期が可能です。遠隔参加者は、自分がどのように映し出されているかを確認しながら、会議に参加できます。現在、プロトタイプの製作や実証実験、および機能改善を進めています。

システムの主な特徴

プロトタイプは、2018年5月22~23日にザ・プリンスパークタワー東京で開催されたITエンジニア向け技術コンファレンス「de:code 2018」(主催:日本マイクロソフト株式会社)のHoloLensブース(株式会社ホロラボブース)に参考出展し、盛況のうちに終了いたしました。

VR・AR・MR等の技術は、すでに教育・医療・娯楽(ゲーム)などの分野で活用されつつあります。私たちの研究チームでもこれらの技術をコミュニケーションに応用し、「サイバーフィジカルオフィス」(=イトーキが提唱する、仮想空間と実空間がシームレスにつながるオフィス)を実現させることで、時間・場所・空間に制約されない新たな働き方を提案していきます。